先般の原子力発電所での事故からもわかるように、原子炉が爆発するほどの大規模な事故が発生すると、放射性物質が広範囲に飛散します。また、放射性物質から発せられる放射能は、家の壁など簡単に透過してしまうため、被ばくを回避することは容易ではありません。
被ばくを回避するには核シェルター
原子力発電所での大規模事故が起こった場合に、大気に飛散した放射性物質から身を守るための対策として、最も有効なのが核シェルターです。事故発生後、1週間程度は、放射性物質から発せられる放射能がかなり高い状態が続きます。この状態でも、核シェルター内では、放射能から完全に隔離した空間が確保されます。放射性物質を99%以上もカットすることができる、高性能なフィルター能力を備えた核シェルターも存在し、アメリカ軍などの軍隊でも採用されています。なお、一般家庭でシェルターを設置する場合は、軍隊で採用されているようなものを購入する必要はありません。ご家族数人が1週間ほど生活できるようなシェルターであれば十分です。例えば、収容人数4人程度の屋内用シェルターがおすすめです。これは、自宅の一室を改造してシェルターにするもので、比較的簡単に設置できる点が利点です。また、サイズが小型でそれほど値段が高くない点もメリットの1つです。
原子力発電所の事故による放射能の被ばくを回避するには、事故発生後、速やかに核シェルターに避難することが最も重要です。その観点からも、シェルターを自宅に設置することは大変好ましいことです。自宅近くで大規模事故が発生した場合に、すぐにシェルターに逃げ込むことができます。